【横須賀】ハイランドで”考える会”発足、石炭火力に関する声明を発表

2020年12月、横須賀市ハイランド地区の住民たちは、「ハイランド『石炭火力発電所建設問題』を考える会」を結成し、久里浜で建設されている石炭火力発電所に関する声明を発表しました。声明では、(1)国(経産省)は、今国会で決議された方針に基づき、石炭火力発電所の新設をやめるよう指導すること。(2)(株)JERAは現在建設中の横須賀石炭火力発電所1・2号機の建設を一旦中止し、計画を見直し、脱炭素化に向けて、新たな取り組みを行うこと。また、中止しない場合、石炭火力発電所において脱炭素化をどのように実現するのか、改めて住民に説明をすること、(3)神奈川県・横須賀市は地方自治体として、住民の健康を守り、CO2排出2050年実質ゼロを実現するために、国に対し「石炭火力発電所の建設には重大な問題があり、中止すべきである」との意見を表明し、事業者(株)JERAに対しても、計画の見直しを求めることを求めています。

また、同日、JERAおよび地元選出の小泉進次郎環境大臣に対して、この問題に関しての質問書および要望書を送付し、JERAが10月に発表した「2050年のゼロエミッションの挑戦」などとの整合について明らかにするよう求めました。

久里浜に建設中の石炭火力発電所についての声明(PDF)

小泉進次郎環境大臣へのレター(PDF)

JERAに対しての「横須賀石炭火力発電所建設にかかわる質問・要望書」(PDF)

2020年12月8日(月)

久里浜に建設中の石炭火力発電所についての声明

ハイランド「石炭火力発電所建設問題」を考える会

 わたくしたちは横須賀市ハイランドの住民です。建設中の石炭火力発電所からは、2~3kmの位置にあり、約3500世帯が暮らしています。かつては東京電力発電所が同じ場所にあり、風向きによってはばい煙が洗濯物を汚したり、喘息の原因が発電所の煙によるものではないかと医者に言われたなどの経験を持っている方がいます。近年の台風大雨の影響により、屋根瓦が飛び、がけ崩れも発生しています。

当会は2020年2月より、勉強会からスタートし、9月にはハイランド全域でアンケート(3,000枚)を実施し、397通の回答を得ました。気候変動に影響があると答えた方は332名(84%)、健康に害があると心配している方が306名(77%)、建設に反対された方が253名(64%)いました。

地元選出の小泉環境大臣も再三「2050年CO2実質ゼロ」を訴えています。今国会では「気候非常事態宣言」が決議され、その中で、「世界はまさに気候危機と呼ぶべき状況に直面している」と訴えています。また、経済協力開発機構(OECD)加盟諸国は2030年までに石炭火力全廃を掲げています。 そのような状況にもかかわらず、新たに石炭火力発電所が新設されようとしていることは、全く理解できないことです。

わたくしたちハイランドの住民は、地元住民として、石炭火力発電所の建設をいったん中止し、脱炭素化に向けた新たな計画への見直しを求めます。

1、国(経産省)は、今国会で決議された方針に基づき、石炭火力発電所の新設をやめるよう指導すること。

2、(株)JERAは現在建設中の横須賀石炭火力発電所1・2号機の建設を一旦中止し、計画を見直し、脱炭素化に向けて、新たな取り組みを行うこと。また、中止しない場合、石炭火力発電所において脱炭素化をどのように実現するのか、改めて住民に説明をすること。

3、神奈川県・横須賀市は地方自治体として、住民の健康を守り、CO2排出2050年実質ゼロを実現するために、国に対し「石炭火力発電所の建設には重大な問題があり、中止すべきである」との意見を表明し、事業者(株)JERAに対しても、計画の見直しを求めること。

以上

 

参考

ハイランド地区住民の建設中止を求める声明がタウンニュースで紹介されました

ハイランド住民アンケート結果とりまとめ:6割超の人が石炭火力に「反対」