【横須賀】横須賀石炭火力発電所2号機の前倒し営業運転開始に抗議する

横須賀石炭火力発電所2号機の前倒し営業運転開始に抗議する

2023年12月23日
横須賀火力発電建設を考える会

 JERA(東京電力と中部電力の合弁会社)は、リプレースと称して石炭火力発電電所を建設し、今年6月に1号機の営業運転を開始した。昨日(2023年12月22日)突然、2号機について、当初予定していた2024年2月を前倒しして営業運転を開始したと発表した。

当会は、2号機の営業運転開始に対して強く抗議する。

当会は、温室効果ガスを大量に排出する石炭火力発電所建設計画の当初から、脱炭素の世界の流れに逆行するものとして反対してきた。

JERA(計画当初は東京電力)は石炭火力発電所建設に際して環境アセスメント法に基づく手続きをリプレース事業であることを理由に簡略アセスを勝手に適用できるとして環境保全に必要な調査、代替案の検討などを省略し、初めから燃料種の中で最も大量にCO2を排出する石炭を使用すると決めて強行してきた。

こうした不法不当な手続きで提出されたアセス評価書を「変更の必要がない」と「確定通知」を出した国に対して、「確定通知」の取り消しを求めて訴訟がおこなわれている。現在、控訴審がたたかわれているが、その判決が2024年2月22日に出されることになっている。

また、JERAはCO2削減策として「CO2を出さない火」と称して「アンモニア混焼」や「CCSの開発」をすすめ、石炭火力に固執している。これは現実性がなく、しかも2030年までの大幅な削減には間に合わない。全くの「偽りの解決策」であり、石炭火力の延命策であると強く批判にさらされている。

先にアラブ首長国連邦のドバイで開催されたCOP28で化石燃料からの脱却が合意文書として初めて明記され、「化石燃料時代の終わり」の始まりと言われている。こうした中で先進国で石炭火力の廃止時期を表明していない唯一の国として批判されている日本の姿勢が問われている。日本のエネルギー政策の大転換が求められている。

このような状況の中で前倒しの営業運転開始は、JERAという日本で最大の火力発電所を持つ会社の社会的責任などは眼中になく、ただひたすらに自社の利益を追求するという姿を曝け出したと言わざるを得ない。

地球沸騰化という地球の危機を救うために残された時間がないと、グテーレス国連事務総長が温室効果ガス削減の加速化を繰り返し訴えている。

当会は、2号機の前倒し営業運転開始したJERAに対し、重ねて抗議するとともに、日本最大の火力発電会社であるが故にこの訴えに真摯に耳を傾けること切に願う。