久里浜に石炭!?

横須賀

今、横須賀に石炭火力発電所計画があります

横須賀の火力発電所建設計画ってどんな計画なの?

横須賀市久里浜で計画されている「(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機建設計画」は、東京電力フュエル&パワー(株)と中部電力(株)が共同出資して設立した(株)JERAが、横須賀火力発電所内の発電設備を撤去し、新たに設備容量65万kWの石炭火力発電設備2基を建設するものです。

現在、環境影響評価法等に基づく環境アセスメントの手続きが進められていますが、長期計画停止していた既存設備の更新と位置づけられ、環境負荷の実測値との比較が行われない等の課題を抱えています。また、既存設備解体工事は住民への説明も不十分なまま既に進められています。そもそも石炭火力発電には非常に大きな問題があるため、今世界的には「石炭火力発電所」は廃止の方向で動いており、時代の流れに逆行した計画と言えます。

(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機 計画概要

事業社名 株式会社 JERA
出資者 東京電力フュエル&パワー(株)、中部電力(株)
住所 神奈川県横須賀市久里浜9-2-1
設備容量 130万kW(65万kW×2基)
燃料 石炭(360万t/年)
運転開始(予定) 号機(2023年)、2号機(2024年)
CO2 排出量 740万トン-CO2/年 ※
SOX 排出濃度 14.0ppm ※
NOX 排出濃度 15.0ppm ※
ばい塵排出濃度 5.0mg/m3N ※

※環境アセスメント方法書に基づく数値

問題1 近隣住民の健康被害
光化学オキシダントは現状でも環境基準を満たしておらず、さらに大気汚染が進めば、健康被害が顕在化します。
問題2 気候変動の加速
石炭火力は化石燃料の中でも一番多くのCO2を排出し、その排出量はLNGの約2倍。気候変動を加速させてしまいます。
問題3 防災上の安全の問題
建設予定地は1950年代に埋立て等による造成地。今後の大地 震発生時の液状化、耐震性に不安があります。

横須賀市の石炭火力発電所計画地から5km圏内地図

環境大臣、石炭火力に否定的な考え 「新増設は認められない」

2017年8月3日に就任した中川雅治新環境大臣は、記者会見やメディアのインタビューでは、世界は脱石炭に向かっているという認識を示し、石炭火力発電にはCO2の問題があり、温暖化対策に逆行するとして「経済性の観点のみで新増設は認められない」と答えています。

東京湾内の石炭火力発電所計画は中止に!

東京湾内では、2012年以降、横須賀の2基以外にも、袖ヶ浦2基、市原1基、千葉1基、の計6基もの石炭火力発電所建設計画が起こりました。そのうち市原での計画は2017年3月に中止となりました。市原の計画は、2015年8月に環境大臣から「是認できない」と指摘されていたもので、その後、事業者である東燃ゼネラルと関西電力が中止にすると判断しました。

横須賀火力発電所の計画に対して、あなたにもできることがあります

2017年12月頃には(株)JERAによる環境アセスメント準備書の手続きで、事業者の説明会や意見募集が行われる可能性があります。市民から事業者に公式に声を届ける機会です。

1. 事業者が開催する説明会に参加してみませんか?

説明会の日程が決まったら公報などでお知らせがあります。参加者が少ないと関心が低いと思われ、市民の声が軽視されてしまいます。ぜひ説明会に出かけて質問を投げかけてみましょう。

2. 環境アセスメントの意見書を提出してみませんか?

計画に対し、誰でも書面で意見を提出することが可能です。意見の数や内容は記録として残され、事業者もそれに答えなければなりません。この秋、意見募集が始まったらぜひ意見を出しましょう。

3. 周りの方にもこの問題を伝えていきましょう!

この計画は、横須賀市をはじめ周辺自治体など影響を受ける近隣の人たちに知られていません。ぜひ一人でも多くの方にこの問題を伝えてください。

(株)JERA http://www.jera.co.jp/

 

横須賀火力発電所建設計画問題Q&A

Q. 排出される大気汚染物質は、そんなに問題があるの?

A. あります!!

石炭火力発電所からはSOX(硫黄酸化物)が排出されます(LNGは排出ゼロ)。SOXは呼吸機能に影響を及ぼし、眼の粘膜に刺激を与えるほか、酸性雨の原因物質の一つでもあります。また石炭は、LNGよりも多くのNOX(窒素酸化物)、ばい塵、PM2.5、水銀等を排出します。また、石炭火力発電所からだけではなく、燃料である石炭や燃焼後の石炭灰の搬入出を行う船舶の係留は居住地に近く、搬入出作業時の汚染物質の影響も心配されます。

Q. 炭火力発電は本当に気候変動を加速させてしまうの?

A. 加速させます!

横須賀に計画されている発電技術は、「超々臨界圧(USC)」という技術です。「最新型高効率発電」とされていますが、高効率のLNG火力発電に比較して約2倍のCO2を排出します。気候変動対策のパリ協定では今世紀後半には人為的CO2排出をゼロにすることが決まっており、この計画は「パリ協定」に逆行するものです。

電源別CO2排出量

Q. 新しい設備だから問題はないんじゃない?

A. いいえ、問題です。

JERAは、旧設備がフル稼働していた時の大気汚染物質排出量を「現状」として計画と比較していますが、2014年4月には全機停止して排出量がゼロとなっています。実態は排出がないところから、突然排出が増えることになるのです。この点は、前横須賀市長も現況との比較を実施するよう事業者に求めました。神奈川県知事も、環境負荷の高い石炭を燃料として選択した理由の説明やその保全措置の考えが十分でないことなどを指摘しています。また、既存設備の解体工事については、十分な住民説明もなされないまま、いますでに進んでいるのです。

横須賀火力発電所の主なあゆみ

1960年~1970年 石炭火力発電所として発足
2~8号機順次運転開始
1972年 燃料を主に重油・石油へ転換
2010年4月 全機長期計画停止
2011年4月  3、4号機を再開
2014年4月 再度全機長期計画停止
2017年3月 全機廃止
2017年5月 解体工事着工
SOX 排出濃度 14.0ppm ※
NOX 排出濃度 15.0ppm ※
ばい塵排出濃度 5.0mg/m3N ※

 

横須賀火力発電所のリプレース計画

過去の実績値 ※1 新計画
2012 2013 新1・2号機
燃料 石油 石炭
設備容量 70万kW(3・4号機) 130万kW
CO2排出量 264万t-CO2 133万t-CO2 726万t-CO※2
SOX 49.0m3N/h 32.0m3N/h 約58m3N/h ※2
NOX 84.3m3N/h 44.2m3N/h 約66m3N/h ※2
ばい塵 ? ? 約22kg/h ※2

※1 公害防止協定に基づき横須賀市に報告された数値
※2 環境アセスメント準備書に基づく数値

JERAと横須賀市は公害防止協定を結んでいますが、協定の値はSOXが494.2㎥N/h、NOXが482.7㎥N/hなどと非常に緩いものです。事業者はこの数字を示し、現状よりも“改善される”などと説明していますが、決して改善されているわけではありません。

当会の発行物

横須賀火力発電所建設計画問題パンフレット(2018年7月31日版) A4見開き4p

横須賀火力発電所建設計画の概要や問題点について、わかりやすくコンパクトにまとめてあります。

事業者説明会参加呼びかけチラシ(2018年1月) B4版2p

JERAが開催する環境影響評価に関する説明会への参加を呼びかけたチラシです。

 

環境影響評価準備書から読み解く(仮称)横須賀火力発電所新1,2号機建設計画(2018年1月) A4版12p

JERAが公表した環境影響評価書に記載されている建設計画の問題点とJERAに確認すべきポイントをまとめたものです。

横須賀火力発電所建設計画問題啓発チラシ(2017年12月) B4版2p

JERAに地域住民の声をしっかり届けることを呼びかけた折込チラシです。

横須賀火力発電所建設を考える会とは…

2017年4月8日に発足した、横須賀火力発電所に新規で石炭火力発電所が建設される問題について考える市民団体です。

(仮称)横須賀火力発電所新1・2号機建設計画については、市民の健康被害、地球温暖化への悪影響などを心配し、2016年から市民を対象とした勉強会や環境省や神奈川県知事への申入れを行ってきています。また、考える会のfacebook(https://www.facebook.com/yokosuka.kangaerukai/)でも、石炭火力発電所問題について積極的に情報発信しています。

これまでの活動史

横須賀火力発電所建設を考える会 活動史

連絡先

横須賀火力発電所建設を考える会 共同代表 鈴木 陸郎
TEL: 046-847-3253

協力

横須賀火力発電所建設を考える会 Facebookページ