蘇我火力発電所計画については、2018年12月27日に石炭火力発電所の計画を中止することが発表されました。私たちも同日プレスリリースを発表しましたので、こちらをご覧ください。また、2019年1月12日、「蘇我石炭火力発電所計画を考える会」は、「蘇我火力発電所計画を考える会」へと変更しました(こちらを参照)。
»【プレスリリース】JFEスチール&中国電力、蘇我石炭火力発電所計画を中止に ~石炭火力計画の中止を歓迎する。残る計画は34基に~
蘇我からのメッセージ -サッカースタジアムの裏側で-
石炭火力発電 蘇我に本当に必要?
蘇我スポーツ公園の真横で石炭火力発電所計画があります。
このままでは計画がどんどん進んでしまうかもしれません。
私たちの声をもっと事業者に届けましょう!
蘇我の火力発電所建設計画ってどんな計画なの?
千葉市中央区で計画されている「(仮称)蘇我火力発電所」は、中国電力㈱とJFE スチール(株)が共同出資して設立した千葉パワー(株)が、JFE スチール東日本製鉄所(千葉地区)工場跡地に、設備容量107万kWの石炭火力発電設備を建設するものです。
現在、環境影響評価法等に基づく環境アセスメントの手続きが進められていますが、現状でも近隣住民はJFEスチール東日本製鉄所起因と考えられる大気汚染に悩まされており、汚染物質の排出がさらに増えることに強い懸念を示しています。また建設予定地は千葉市が蘇我エコロジーパークとして環境産業の創出をめざしてきた地域です。石炭火力発電には非常に大きな問題があるため、今世界的には「石炭火力発電所」は廃止の方向で動いており、市の計画にも、世界的な時代の流れにも逆行した計画と言えます。
(仮称)蘇我火力発電所 計画概要
事業社名 | 千葉パワー株式会社 |
---|---|
出資者 | 中国電力㈱、JFE スチール㈱ |
住所 | 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 |
設備容量 | 107万kW |
燃料 | 石炭+副生ガス |
運転開始(予定) | 2024年 |
CO2排出量 | 642万トン-CO2/年 *推計 |
SOX排出濃度 | 20ppm |
NOX排出濃度 | 15ppm |
ばい塵濃度 | 5mg/m3N |
蘇我石炭火力発電所計画地から5km圏内地図
環境大臣は、蘇我火力に再考を促す意見書提出
2017年3月、山本公一前環境大臣は地球温暖化の懸念を事由に、蘇我火力発電所計画に対し再考を促す意見書を公表しています。
環境大臣は、石炭火力に否定的な考え「新増設は認められない」
2017年8月3日に就任した中川雅治新環境大臣は、記者会見やメディアのインタビューで、世界は脱石炭に向かっているという認識を示し、石炭火力発電にはCO2の問題があり、温暖化対策に逆行するとして「経済性の観点のみで新増設は認められない」と答えています。
市原の石炭火力発電所計画は中止に!
東京湾内では、2012年以降、蘇我の1基以外にも、袖ヶ浦2基、市原1基、横須賀2基、の計6基もの石炭火力発電所建設計画が起こりました。そのうち市原での計画は2017年3月に中止となりました。市原の計画は、2015年8月に環境大臣から「是認できない」と指摘されていたもので、その後、事業者である東燃ゼネラルと関西電力が中止にすると判断しました。
蘇我火力発電所の計画に対して、あなたにもできることがあります!!
1. 環境アセスメントの意見書を提出してみませんか?
2018年1月22日に環境アセスメント方法書が公表され、3月8日まで意見募集が行われています。意見書はインターネットでダウンロードできます。誰でも意見を提出でき、意見は記録として残され、事業者もそれに答えなければなりません。
提出先
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1丁目7番12号 サピアタワー25階
千葉パワー株式会社 宛
問い合わせ先:0120-227-795
2. 市民が主催する説明会に参加しませんか?
454ページにも及ぶ方法書を、わかりやすく解説します。ぜひご参加ください。
これまでに開催した主な説明会
- 環境影響評価方法書を市民が読み解く(1)
講師:桃井貴子
2018年2月14日(水) 10時~12時 蘇我コミュニティーセンター調理室 - 環境影響評価方法書を市民が読み解く(2)
講師:伊東宏
2018年2月24日(土) 13時~15時 蘇我コミュニティーセンター講習室3 - 環境影響評価方法書にみんなで意見書を出そう!
講師:平田仁子
2018年3月3日(土) 15時~17時 蘇我コミュニティーセンター創作室
*講師はいずれも気候ネットワークの専門スタッフです。
3. 周りの方にもこの問題を伝えていきましょう!
石炭火力は、千葉市だけでなく広く周辺自治体に影響があります。
ぜひ一人でも多くの方にこの問題を伝えてください。
千葉パワー株式会社 http://www.chiba-power.co.jp
蘇我火力発電所建設計画Q&A
Q. 排出される大気汚染物質は、どれだけ増えるの?
A. SOX(硫黄酸化物)や水銀等が確実に増えます。
石炭火力発電所からはLNG火力では排出されないSOXや水銀が排出されます。SOXは呼吸機能に影響を及ぼし、眼の粘膜に刺激を与えるほか、酸性雨の原因物質の一つでもあります。また石炭は、他に、より多くのNOX(窒素酸化物)、ばい塵、PM2.5等を排出します。
さらに石炭火力発電所からだけではなく、燃料である石炭や燃焼後の石炭灰の搬入出を行う船舶の係留は蘇我スポーツ公園に近く、搬入出作業時の汚染物質の影響も心配されます。
Q. 石炭火力発電は本当に気候変動を加速させてしまうの?
A. 加速します。
蘇我で計画されている発電技術は、「超々臨界圧(USC)」という技術です。「最新型高効率発電」とされていますが、高効率のLNG火力発電に比較して約2倍のCO2を排出します。これは気候変動に取り組む世界的な枠組み「パリ協定」に逆行し、環境大臣も懸念を示しています。
Q. 何故、今でも粉じんに苦しむ生活者が多くいる場所に建てるの?
A. 単に経済的な理由からです。
2017年7月2日に開催された事業者説明会でも、もっと海側への建設の可能性について質問が寄せられましたが、千葉パワーの回答は、「JFEの土地で空いている所はそこしかない」というものでした。また事業目的として、「価格の低廉な石炭を燃料とすることで、競争力のある電力を生み出す」としています。つまり、大規模な商圏である関東に電力を販売するという経済合理性だけを追求した計画なのです。
現在のJFEスチールの原料ヤードの一部。広大な土地に石炭・鉄鉱石・スラグ等が野積み状態で保管されている
当会の発行物
◆蘇我火力発電所建設計画問題パンフレット(2018年2月1日版) A4見開き4p
蘇我火力発電所建設計画の概要や問題点について、わかりやすくコンパクトにまとめてあります。
◆JFEスチール本社前アクションチラシ (2018年12月)B4版2p
JFE本社周辺で建設の見直しを訴えた際に配布したチラシです。
◆蘇我火力発電所建設反対署名チラシ(2018年) A4版2p
蘇我火力発電所建設計画の中止を求める署名を集めるためのチラシです。★現在も署名を集めております。ご協力ください!!
◆JFE スチール(株)東日本製鉄所粉じん状況説明チラシ (2018年)B4版2p
JFEスチール㈱東日本製鉄所(千葉地区)周辺の粉じんの状況をまとめたチラシです。地域の方のアンケートも実施しました。
◆環境影響評価方法書から読み解く(仮)蘇我火力発電所 (2018年2月) A4版12p
千葉パワーが公表した環境影響評価方法書に記載さえれている建設計画の問題点と千葉パワーに確認すべきポイントをまとめたものです。
◆なぜ今蘇我地区に石炭火力発電所なのか (2017年5月) B4版2p
蘇我に計画されている石炭火力発電所の問題点や千葉県内で進められている他の石炭火力についてまとめたチラシです。
蘇我石炭火力発電所計画を考える会とは…
2017年4月11日に発足した、蘇我で石炭火力発電所が建設される問題について考える市民団体です。
(仮称)蘇我火力発電所建設計画については、市民の健康被害、地球温暖化への悪影響などを心配し、2017年春から市民を対象とした勉強会を行い、また千葉市中央区を中心に1万枚のチラシ(アンケートつき)調査を実施、331人から回答があり、295人が反対との意見でした。空気の汚れが気になっていることや石炭火力発電所建設計画に不満を抱いている現状を把握、それを踏まえて環境省や千葉県知事、千葉市長、事業者への申入れを行っています。アンケート結果や活動の内容は当サイトでご覧いただけます。
これまでの活動史
蘇我石炭火力発電所計画を考える会 活動史(最終更新:2018年6月末)
連絡先
蘇我火力発電所計画を考える会 事務局
TEL 090-7941-7655
担当:小西・佐藤・森口
協力
- 石炭火力を考える東京湾の会 https://nocoal-tokyobay.net/
- Don’t Go Back To The 石炭 http://sekitan.jp/
- 気候ネットワーク http://www.kikonet.org/