【横須賀】ハイランド住民アンケート結果とりまとめ:6割超の人が石炭火力に「反対」

横須賀市ハイランドの住民有志が、自主的に石炭火力発電所についてアンケートを実施しました。ハイランドは、久里浜の石炭火力発電所からわずか2~3㎞圏内に位置し、標高が50~80m程度の小高い丘陵地で約3000世帯の住民が暮らしています。アンケートは3000枚ほど各世帯に配布し、397世帯から回答がありました。

【調査概要】

 調査目的  久里浜で建設が進む石炭火力発電所に対して、ハイランドの住民意識を把握する。
 調査期間  2020年9月上旬~9月30日
 調査対象  横須賀市ハイランドに住む地域住民の方(約3,000世帯)
 調査方法  各世帯に配布し、郵送または調査メンバー宅のポスト投函により  回収
 有効回答数  397世帯

 

【調査結果】

全部で6つの質問を提示し、1~5までは選択肢、6は自由記載で回答を求めています。この結果、石炭火力の計画を知らない人も2割ほどいて、地元でもまだ周知されていないことが改めて明らかになりました。また、回答者の大半が石炭火力発電所のばい煙や地球温暖化の問題に対し影響があると考えており、石炭火力発電所の建設に反対という人が63%に及ぶことも明らかになりました。詳細は以下のとおりです。

質問1.久里浜に新たに石炭火力発電所が建設されていることをご存じでしたか。

「よく知っている」「うわさ程度に知っている」「知らなかった」の3択で質問したところ、「よく知っている」(41%)、「うわさ程度に知っている」(38%)を合わせて約8割の人が知っていましたが、「知らなかった」との回答も21%となりました。

質問2.久里浜石炭火力発電所が完成すると、神奈川県のCO2排出量(7367万トン)の10分の1の量(726万トン)が排出されるとのデータがあります。温暖化や気候変動にさらに影響するのではと思いますがいかがでしょうか。

「大きな影響はないと思う」「影響はあると思う」「よくわからない」の3択で質問したところ、「影響はあると思う」との回答が84%と最も多く、「大きな影響はないと思う」11%、「よくわからない」5%を大きく上回りました。

 

質問3.久里浜石炭火力発電所が稼働すると、ばい煙(硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん)が排出されます。健康や生活環境に害があると考えられますがいかがでしょうか。

「大きな影響はないと思う」「影響があり、問題だと思う」「よくわからない」の三択で回答してもらったところ、「影響があり、問題だと思う」が78%と最も多く、「大きな影響はないと思う」12%、「よくわからない」10%を大幅に上回る結果となりました。

 

質問4.久里浜石炭火力発電所建設について

「建設は必要である」「問題はあるが、建設はやむを得ない」「建設には問題があり、反対である」「よくわからない」との選択肢で回答してもらったところ、「建設には問題があり、反対である」と回答した人が64%と最も多く、「必要である」という人はわずか5%にとどまりました。

 

質問5.私たちが将来使うエネルギー源は何が望ましいとお考えですか。

将来のエネルギー源について尋ねたところ、太陽光、風力といった再生可能エネルギーが望ましいとする回答は約85%(336件)と、火力(50件)、原子力(35件)を大きく上回りました。アンケートの事由記述欄への記載も、再エネ推進に関する記述が20件と最も多く、再エネに対する期待の高さがうかがえました。一方、火力に関する自由記述は、「天然ガス発電なら反対しない」「安定的電力供給を考えた場合、石炭天然ガス、石油等のエネルギー源は必要と考えます」等であり、積極的な推進というよりは、再エネ以外の現実的な選択肢として捉えられていることが推察されます。また原子力に関しては、「資源の少ない日本では原子力発電が理想と思うが、地震の多い日本では(途中略)不安が残る」「原子力発電が有望であったが、地震国の日本で心配」とする声が寄せられたほか、「原子力発電こそ凶器」など、強い拒否を示される方もいました。

質問6.この問題についてお考えがあれば自由にお書きください。

有効回答397件のうち、143件も自由記述欄にご記入いただきました。アンケートに回答いただいた方が、横須賀石炭火力発電所に関連して色々な想いを抱いていることを感じさせる結果だと考えます。最も多く寄せられたのは既述のとおり再生可能エネルギーに関連する意見でしたが、次に多かったのは、小泉進次郎環境大臣に関するコメント(16件)でした。

<自由回答>

・これからは、未来の子供たちのために石炭火力発電所や原子力発電でない再生エネルギーに切り替えていくべきかと。日本だけが遅れているようです。

・ばい煙等が風向きによって流れてくることを心配しています。今現実に停電もなく足りている状況。しかも経済が格段に大きくなるということもないのに、今必要なのでしょうか?

・アンケートの結果をタウンニュースやその他の報道機関で大きく取り上げてもらうとよいかと思います。

・寝耳に水とはこのようなことを言うのでしょうか?友人にその話を聞き、すでに建設中でビックリしました。今、地球温暖化が進み、思いがけない気象状況も起きています。時代に逆行するような石炭火力発電所建設には反対です。孫子の代までずっと緑美しい地球を守りたい。

・温暖化がこれだけ問題になっている時代に、火力発電所を作るとは何を考えているのか・・・
世界は再生エネルギーに流れているのに、日本は逆行しています。

・電力会社は信用できません。(福島原発事故、関西電力の接待等)陰ながら応援しています。

・小泉さん、地元の問題だよ!

・以前にも反対のアンケートに署名しました。写真を見るとどんどん建設が進んでいるようで、住民の気持ちや生活を無視されて残念です。せっかく山の上に空気のきれいなところに住んでいるのに‼
以前石炭火力発電所建設を考える会についての手紙で建設することを知りました。健康被害ということもとても気になりますし、小さい子供がいる親として建設してほしくないです。なぜ、久里浜に建設するのか‥反対です。

・毎年夏が暑くなる一方で、台風や水害も多いので、温暖化については真剣に考えたほうが良いと思う。また、未来のことを考えるなら原子力(廃棄物の問題)も減らす方向が良いと思う。

・小泉環境大臣が地元にいながらなぜ阻止できないのでしょうか?市長も国に従わざるを得ないということでしょうか?建設現場を見るたびになんとか阻止できないだろうかと眺めていました。是非是非何としても中止できるようよろしくお願いします。応援しています。横須賀以外はみな中止になっています。横須賀だってできるはずです。

・本運動には現地出身の衆院議員をフル活用することが肝心。

・気候、環境ともに穏やかな本地なのに、人口企業の流出が止まらない。横須賀にあって、さらに悪条件となる。また、異常気象の要因になると思う。久里浜、三浦半島の自然環境を壊さないでほしい。議員は何をしているのだろう。

・環境にマイナスになることはすべきではなく、使用電力を減らす努力や工夫が必要であり、今後はできる限り再生エネルギーに代えていくことが望ましい。石炭を燃やせば北京上海のようになることは目に見えている。建設には反対です。

・ご苦労様です。反対ですが、工事は進んでいますね。無力感大です。30年前喘息の子が近所にいました。久里浜火力のせいだと思っていました。

・温暖化の進行を少しでも軽減できることを並行してすすめることが重要だと思います。

・火力発電が必要な理由が知りたいです。どうしても火力が必要なら天然ガスにしてほしいです。

・この発電所、相当期間稼働しておらず、その間電力不足は発生していない。近頃になって作り始めるというのはどういう経過からかわからない。東電に対する不信感は多。

・石炭火力は中止すべきです。

・今現在なくても電力は足りているので石炭火力はいらないと思います。健康のためにもこれ以上環境を悪くしないでほしいです。

・石炭火力発電所の増設など問題外であるが、元来大量生産大量消費というアメリカ文化への追随こそ問題である。日本はムダ大国ゴミ大国である。このエネルギー浪費をやめれば件の発電所建設は無用となる。

・環境アセスメントのデーターが久里浜、ハイランド、野比、長沢など近隣地区の住民に、どの程度知らされているのか。私たちは知らされていない。

・国は市民に対して建設に関して説明が必要だと思います。

・限りある資源、化石燃料を使用しての発電には反対です。建設は中止してほしい。異常気象をもたらす地球の温暖化は深刻な問題だと思います。再生エネルギーを各家庭で作れる、利用できる、蓄えられるインフラ作りに力を注いでほしいと思います。

・再生エネルギーのみで電力を賄えればそれがベストだと考えるが、まず、それは無理だと考えられる。原子力は絶対反対。そうすれば化石燃料での発電も一部仕方がない。石炭、天然ガス、石油その中で最も地球に優しい燃料を使っての発電が好ましい。天然ガスにより有害物質排出量のデーターも知りたい。天然ガスのほうが排出量が少ないのであれば石炭火力発電は反対である。

・今、何で火力発電なのかよくわからない。「時代遅れ」な気がする。

・以前から建設の話は聞いていました。だんだんと建設が進み、心配していましたが、どういう活動をすればよいのかわからずにいました。これからも頑張ってください。

・原子力発電はいらない。日本は火山国。処理したものを埋める場所がない。今あるのも困っている。

・普段から無駄に電気を使わないようにしているので、これ以上どうしてよいかわからない。

・私は横須賀でそだちました。アレルギーを発症していていつもかゆみと顔の肌荒れでお化粧できませんでした。息子も喘息が出ていました。体質だろうと思っていました。県外へ行き、しばらくして戻ってきたとき、またかゆみと顔がはれるほど赤くなりました。皮膚科の先生に見てもらって「きれいな空気のところから来たんですね。多いです。引っ越しを機にアレルギーが出る人。久里浜発電所の煙ですよ」と言われ、がくぜんとしました。私のかゆみは煙のせいだったんだと、環境のせいだったんだと、もう家を建ててしまったので越せませんでした。今までこちらへ来て16年たちますが1~2週間に1回アレルギーの注射を打っています。このことを知らない人多いと思います。

・いただいたチラシを読んで、「ばい煙」による健康被害が心配です。具体的な予想される健康への響や被害の及ぶ地域など詳しい情報を知りたいと思いました。

・再生エネルギーが理想であるが、最低でも天然ガス。

・人口の減少により、空き家が増加しており、空き地を利用した送電発電設備を設置し、電力の地産地消を目指す。その管理を委託し、利用者で賄うが、様々なハードルあり。将来は地域の電柱、送電線、鉄塔がなくなれば土地の価値を上げることができる。

・温暖化に真剣に取り組まなければこれからの地球が心配

・何をするにも一長一短はあるもの!ただ、今何が一番必要なのかということを考えることが重要。原発、石炭火力発電はもってのほか!でも私たちもただ反対批判するのではなく、需要と供給ということもあるので、もっと勉強して無駄な電気は使わない大事に使うということを考えなければいけない。太陽光発電はよいのだけれども、メーカー、企業にだまされてはいけない。よいことだけ言って金もうけだけを考えている。

・反対して中止できるなら中止してほしい

・世界的にも問題になっている事に逆こうするような発電所の建設には賛成できません

・火力発電はCO2問題があるので極力減らすべき。原子力発電が有望であったが、地震国の日本で心配である。・再生エネルギーへ可能な限り転換すべき。

・40~50年前に川崎鶴見方面の公害問題発生が思い出されます。心配です。40~50年前に4丁目5丁目の上空に細く長いばい煙と思われるものが長く伸びていたのがよく見られました。

・直接関係在るかわからないが、野比海岸の砂浜部が30年前と比較すると、酷く減少している。建設を進めるにあたって住民にちゃんと説明するべきと考える。発電所を建設することでの経済効果も含めて考えるべきだと思う。

・50年前川崎に住んでいしましたが、空気が悪くハイランドに越してきました。

・世界は脱石炭に向かっているのに、日本はどうしてなのか。しかも環境大臣。小泉さんの地元での建設を知った時には驚きでした。小泉さんが大臣になる前にゴーサインがでていたのでしょうが、建設をする前に充分に地元の人への説明をし、賛否を問うべきでした。

・東電の広報(計画、旧施設の比較等)はないのだろうか。環境大臣地元の小泉大臣の見解を知りたいものです。

・小泉大臣の地元なのだから、もっと積極的に関わってほしい。

・久里浜石炭火力発電所は、大きな問題である。建設せずに、公園などにしてほしい。環境大臣に訴え、発電所建設をやめさせてほしい。

・日本が化石燃料使用の量ワーストN0.1の賞を受けたニュースを見たことがあります。ソーラーシステム設備の費用コストダウンを進め、一般家庭にも普及を図るといいと思います。

・このアンケートがなければ全然気にもせずわからないことばかりでした。

・石炭は不可(最悪でも天然ガス)

・私たちはあまりにも恵まれた環境の中で生きてきました。今、コロナ問題でも、自由気ままな個人個人の生き方がコントロールできないで広まっているところも多くあります。少欲望の精神で生き方生活の仕方を変える時だと思います。

・日本の地形にあった水力発電が適していると考えます。一番は原子力発電を速やかに廃止すべきと考えます。

・個人的には多くの問題はあると思うが、まだ、再生エネルギーで全エネルギーを補うのは無理なのでは?と思う。その時、処理能力のない原子力を使うならばつなぎとしての火力発電はしかたがないのかな?と思ったりする。火力発電も少なくなることが好ましいが、なるべく早く再生エネルギーを全エネルギーを補うようにしての火力発電稼働期間を少なくするほうが現実的と考えている。

・CO2排出についてハイランドというローカルな範囲で問題提起してもすれ違うだけ。ばい煙について風下着地濃度の予測がなされているが、煙突からの距離のみで海抜高度を無視している。ハイランドとしては、この点を指摘すべきではないでしょうか。

・再生エネルギーの開発を早急に実施すること(5年以内)それまでは石炭使用もやむを得ない。

・電気がなくては生きていけない世の中になりました。年々時代とともに電気の消費量も増え、発電所も不足するのではと思っています。久里浜にできるのであれば、天然ガスにしてほしかったですが、無理だったのでしょうね。公害のひどい工場地帯から、この地に住み、空気はきれいです。まだ、ひどいところへ住んでいる人はたくさんいます。(40年前公害から逃げてきた家族より)

・便利な生活ができて、穏やかな環境で暮らすことはみんなの希望です。どちらも失うのは・・生活ができる範囲での建設を希望します。あそこまで出来ていて中止までこぎつけるのは・・・と考えてしまいます。横須賀市の企業誘致されると働く場所ができて、といろいろ考えると難しい。

・資源の少ない日本では原子力発電が理想と思うが、地震の多い日本で過去の東日本大震災のような起きると取り返しのつかない重大な不安がのこる。また、電力が不足すると今夏のような猛暑では高齢者にとって命にかかわる。そのような事態にならないように切に願う。

・建設中止は今の時点で手遅れであると考える。ここまで来たら排煙浄化装置のより高度なシステムの導入や湾岸への影響の抑制強化を図るよう検討したほうが現実的と考える。(海が好きで、40年以上当地に住んでいる自然を大切にする住人)

・三つのエネルギー源を使い分けて稼働する。利用する。

・発電所建設の件を始めて知りました。久里浜焼却炉の跡地でしょうか。排出される物質を限りなく減らしてから排出できる仕組みにしてほしいと切に願います。

・建設に対して住民説明会はあったのでしょうか?

・本当に必要なのか?健康に影響があるのか?ないのか?わかりやすく教えてほしい。作らなくても大丈夫なのか、作ることの別な理由があるのだろうか?

・この問題について地元でしっかりと話し合いがされてこなかったと思う。発電所に近い住民の方は、火力発電所の建設に賛同が多いと聞くが、反対と賛同の意見を言う場がない。火力に代替できるもののコスト・パワーが見合うものは何か発信がない。反対するだけでなく、何をすれば代替できるのか等市長を交えて話し合う必要があると思う。