【袖ケ浦】袖ケ浦石炭火力建設断念に寄せて:袖ケ浦の富樫共同代表からのご挨拶

袖ケ浦市民が望む政策研究会事務局長で、石炭火力を考える東京湾の会の富樫孝夫代表からのご挨拶です。

袖ケ浦の石炭火力の建設計画は中止になりました
~心配し応援して下さった市民の声の結晶です~

石炭火力を考える東京湾の会共同代表
袖ケ浦市民が望む政策研究会
富樫 孝夫

 雪が降り、寒い日が続いておりますが、日差しは春を感じさせ庭の梅のつぼみが膨らみ咲始めた今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?

とうとう袖ケ浦にも嬉しい知らせが飛び込んできました。その兆候はあったのですがもっと時間がかかると思っていたところ、1月29日に東京ガス内田社長の記者会見に続き1月31日の出光興産、九州電力、東京ガス3社によるプレスリリースで石炭火力の事業性を判断して計画を中止、新たに東京ガスと九州電力の2社で同じ場所で天然ガス火力の可能性を検討するという内容の発表でした。

これにはまだ課題が残っているものの大きな成果であり、この場を借りて皆様の力の結集の結果と感謝申し上げます。

さて過去を思い起こせば、2017年1月に関西電力が発表した赤穂発電所の石炭断念のニュースに続いて間もなくの2017年3月23日に市原火力(東燃ゼネラル、関西電力)の事業性が見通せないということでの中止。この時はなぜ中止に至ったのか?私たちの間でも半信半疑でしたが調べてみると極めて妥当な判断を東燃ゼネラルの上層部はしたのだと感心しています。

その一方、蘇我や袖ケ浦、横須賀の石炭火力の事業者の説明会に出席して話を聞いてみますと、環境の変化と将来の見通しが私たちとの大きく隔たっており、事業者への怒りと共になぜだろうと悩みながらも最後は私たちが勝つだろうと思って今日まで歩み続けてきました。

なぜなら毎年発生する気象災害で多くの人命と財産、インフラを失う様から、この計画は反社会的であり、とん挫必至と確信しました。そこでまず “できることは何でも行動“ の心で東京ガスの株主総会へのアクションやハガキ、手紙作戦など皆さんの協力で展開したところ、2018年8月10日に東京ガスは九州電力とガス火力を検討と前触れがありました。

そのときすでに準備書説明会の会場準備がされていたのに中止されたことから “これはいけるかも” と思いつつ、中止まではまだ相当先のことと正直考えていたことも事実です。本丸と考えていた出光興産本社前アクションの実行した訳です。

そこに降ってきたのが 2018年12月27日の『蘇我火力石炭中止、ガス火力検討のニュース!!』、 さらに出光興産から私達との懇談会を受けるとの返事も・・・。変化の兆しと判断しました。

正直に言って、出光興産に対する私たちのイメージは岩盤(失礼)と思っていたので、この変化は雪のなかに福寿草の芽を見つけた気持ちでした。この機を逃さず市民の意見をアピールしないといけないと思っていたところ、ついに1月29日の再度の東京ガスからの前触れに続き、31日計画中止のプレスリリース!

そして2月6日の市民と出光興産様との懇談会で、直に出光興産様から中止のお話を伺ったという次第です。

しかし、振り返ってみますと、千葉袖ヶ浦エナジー社が設立されたのは2015年5月1日です。その頃すでにベースロード電力という考えは崩壊すると言う論も公開され、石炭火力の前途は明るくないと言われていたのです。

環境省は新設計画が急増していることを背景に、「2030 年度の削減目標や電源構成と整合する排出量を 7000 万トン程度超過」するとの懸念や、パリ協定の「1.5~2℃目標」に照らせば、石炭火力の新規建設どころか、既存の石炭火力発電所も閉鎖していくほかないという分析や、また再生可能エネルギーの急増の情報もたくさんあったはずで、これらのことがすべて理解されていて計画を進めていたのか、これらの情報が東燃ゼネラルのようにちゃんと伝えられていなかったことが判断の遅れになったのか不明ですが、今回の判断の遅れを皆様はどのように感じていたでしょうか?

ともかく、私たちは一歩前進したと言えます。しかし東京湾には横須賀火力問題が残っており、全国的にみれば29基の計画がまだ残っているし、すでに稼働したもの、古いものも運転していて毎秒毎秒大量のCO2増加していることも事実です。自分のところから石炭が消えたからと言って喜べない、CO2はどこから発生しても結果は同じである。

このことを考えると私たちはもっともっと汗をかく必要があり、皆様のお力添えが今後とも必要です。これまでの支援、助力に感謝すると共に今後とも頑張りますのでよろしくお願いいたします。どうも有難うございました。

2019年2月12日記


ついでに一言・・・・

3.11大地震、北海道のブラックアウトの経験を受けて、送電の継続性、復旧迅速性に注意が注がれていないと私は考えています。ここに出光興産他に投資の機会があるのではないでしょうか?大規模な蓄電池エリアを構築し、再エネ電気を集約、平常時は売電しながら大停電の際は再起動電源として機能する非常用発電機の役割。こんな商売どうでしょう。。。