【横須賀】事業者は脱硫装置の使用で6万トンの排出増も、全く見直さず。環境審議会での追及を!

5月11日、横須賀火力発電所建設を考える会では、横須賀市環境審議会委員長に以下のレターを送りました。環境審議会の指摘で、JERAの計画は脱硫装置の使用で6万トンものCO2が増加することが明らかにされましたが、その対策はとられていません。6万トンという規模は横須賀市の年間CO2排出量(約250万トン/年) から見ても2.4%程度と決して少なくありません。改めて審議会でもこの問題を含めて検討する必要があると考えています。

横須賀市環境審議会委員長へのレター

2020年5月11日

横須賀市環境審議会委員長 様

横須賀火力発電所建設を考える会
共同代表 榎本 広 鈴木 陸郎

横須賀市の環境行政へのご尽力に感謝申し上げます。
私たちは横須賀石炭火力発電所建設について、大気汚染や気候変動に大きな影響を与えることを懸念し、建設中止を求めて活動をしております。
貴審議会が市長から諮問された「(仮称)新地球温暖化対策実行計画の策定について」の審議にかかわる問題について、添付の資料を検討いただき審議に反映されるようお願いいたします。いま、すでに発電所は建設中ですが、稼働されると40年以上にわたって二酸化炭素の排出がつづく問題ですので、緊急の検討をお願いいたします。
横須賀市環境審議会の議事録(第65、66回)を拝見しましたが、建設中の横須賀石炭火力発電所の脱硫装置から6万トンもの二酸化炭素が余分に排出されることについて情報共有がなされていないと思われました。そこで、貴審議会に資料を添えて請願の形で提出しようとしましたが、請願は受け付けないとのことでありましたので、資料提供という形で提出させていただきたく存じます。
本事業の環境影響準備書に対して提出された意見(資料1)で、脱硫方式を変えれば排出される二酸化炭素が6万トンも減少できるとの指摘がありました。事業者はこの指摘を認め、評価書で脱硫装置から二酸化炭素が6万トン排出すると記述修正しました。
しかし、石灰石膏法という脱硫方式を改めず、余分に6万トンの二酸化炭素を排出する計画のままです。なぜ、改めないのか理由を全く説明していません。
二酸化炭素の排出は貴審議会でも気候変動に大きな影響を与えることが論議され、排出削減は(仮称)新地球温暖化対策実行計画改定の最重要テーマであると考えられます。
この意見の提出者は専門家であり、「国を挙げて乾いた雑巾を絞るような努力を重ねて二酸化炭素排出削減に努めている現状を鑑みれば、年間6万トンという量は決して少なくない」と指摘しております。今後、改定される横須賀の計画に基づいて市内の事業者、市民に二酸化炭素の排出削減の努力を求めることになると思います。しかも、神奈川県は気候非常事態宣言を出しています。その大本である発電所から余分に6万トンもの二酸化炭素を排出することを検討なしに認めることは許されないと思います。石灰石膏法をどうしても変更できないというのであれば、少なくともその理由を明らかにすべきだと思います。
私たちは、昨年の2月にこの問題を重視し、横須賀市長に要請書(資料2)を提出しています。合わせてご検討いただきたくお願い申し上げます。

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