【袖ケ浦】住民の8割以上が石炭火力計画を知らず:意識調査結果

国際環境NGOグリーンピース・ジャパンが袖ケ浦での石炭火力発電所の建設計画に対する意識調査を行い、10月31日、千葉県庁にてその結果を記者発表しました。この調査結果では、多くの人が地球温暖化に対しての問題意識があり、将来への影響を心配している一方で、8割の人が袖ケ浦で石炭火力発電所の建設計画があることを知らないことが明らかになりました。袖ケ浦の環境アセスメントは現在、方法書まで終わっていますが、東京ガスなど事業者はこの計画に対して慎重に検討し、年内には今後の方針を決定するとしています。この調査でも多くの住民が石炭火力発電所を望んでいないことは明らかです。ぜひ事業者には中止の決断を早期に出していただきたいものです。

【調査結果のまとめ】
最も関心の高い環境問題をとして地球温暖化を上げる人が最も多く、理由としては、気象災害の増加のほか、社会的影響としては将来世代の社会環境への影響を心配する意見が最も多かった。この傾向は特に子や孫のいる人ではより強くこの夏の気象災害や猛暑を背景に、将来影響が深刻化する気候変動への懸念がはっきり表れているといえる。

◆火力発電の中で石炭火力発電が最も多く二酸化炭素を排出することは半数以上が知らず、また窒素酸化物や水銀などの大気汚染についても8割以上が心配している反面、石炭火力発電所が排出源の一つであることへの認知度は低く、子や孫のいる人では半数以下となった。

当該石炭火力発電所の建設については、8割以上が知らず、環境アセスメントが実施されていることにはほとんど認知がなく、意見を述べたことのある人は1.4%に過ぎなかった。計画の是非を問う設問で「情報がなくて答えられない」が37.8%と、反対意見に次いで多かったことからも、住民への情報提供や、環境アセスメントで住民意見をとりいれるしくみが機能していない実態が浮き彫りとなった。

地球温暖化に対する政策については強化を求める声は6割近くにのぼり、持続可能な自然エネルギーの推進を求める声は80%を超え、地域で支援してほしい エネルギー源は太陽光や風力など上位を自然エネルギーが占める結果となった。

グリーンピース「国内最大級石炭火力発電計画と気候変動に関する近隣住民 1000人アンケートーー 建設計画を8割以上が知らず」

記者会見の様子(左から桃井貴子(気候ネットワーク)、関根彩子(グリーンピース・ジャパン)、富樫孝夫(袖ケ浦市民が望む政策研究会))

千葉日報「住民8割が知らず 袖ケ浦の火力発電所計画 NGO調査」