【横須賀】ハイランドの考える会の質問に対してJERAが回答。具体的中身なし。

横須賀市ハイランドで活動する「石炭火力発電所建設問題を考える会」は21日、今年8月にJERAに対して送付した質問状に対する回答などを公開しました。質問の内容は、2030 年までに国が CO2 削減目標46%に引き上げたことについての見解を求め、建設中の石炭火力発電所が CO2 削減の方法として計画している「アンモニア混焼」について具体的な進行状況と見解を問うものです。

<主な質問>・JERA として 2030 年までに 20%のアンモニア混焼を表明しているが、久里浜の発電所での計画はどうなっているのか。
・海外からの大量のアンモニア輸入が本当にできるのか。
・そのアンモニアを製造するときに出る CO2 をゼロにする技術は確立できるのか。
・アンモニア混焼によって採算は取れるのか。

今年10月、考える会に対してJERAから回答が寄せられましたが、その内容は以下のとおりで具体的な回答は一切得られなかったとしています。

<回答の概要>
・国の目標達成に向けて前向きに検討を進めて参りたいと考えております。
・碧南火力発電所 4 号機でのアンモニア 20%混焼に係る実証試験やアラブ首長国連邦アブダビ首長国における「クリーン・アンモニア生産事業の事業化可能性調査」におけるクリーン・アンモニア生産事業の調査等を含め、アンモニア混焼技術の確立やアンモニアの製造・輸送・貯蔵・利用といった一連のサプライチェーンの構築に向けた主体的な取り組みを開始しております。」(詳細は別紙回答を参照)

ハイランドでアンケートのとりまとめを行った印田さんは「アンモニア混焼が現実に差し迫った気候危機に対処できる方法として、あまりに不確実であり、2030 年という目前に迫っている大切な節目に向けても、国や世界が掲げている目標や認識と大きくかけ離れていると思わざるを得ない」としています。また、考える会では、「石炭火力発電所が建設されれば、年間 726 万トンの CO2 を排出することになり、その量は横須賀市の CO2排出量の約 4 倍にあたる。温暖化が進んでいる状態で、さらに石炭を使った発電所の建設は、私たち住民の健康とともに、日本、世界の災害を急速に進める大きな問題だと考える。」として、この結果についてプレスリリースを発表しました。

引き続きJERA に対して、計画の見直しを求めるとともに、住民に対する説明を再度行うことを求めていくとしています。

プレスリリース本文(PDF)

ハイランド石炭火力発電所建設問題を考える会からの質問状(PDF)

JERAからの回答(PDF)