第六次エネルギー基本計画案に対するパブコメを提出しました!

現在、政府が募集している第六次エネルギー基本計画案に対する意見を石炭火力を考える東京湾の会として提出いたしました。締め切り間際となりましたが、ぜひ多くの人から提出しましょう!

石炭火力

【該当箇所】「5.2050年を見据えた2030年に向けた政策対応 」の中での「石炭」の位置づけ(P36 L1155~)および「火力発電の今後の在り方」(P75)

【意見内容】石炭火力の新設は横須賀や神戸を含めて中止する方針を打ち出し、既存の石炭火力についても2030年までに全廃とすること

【理由】現在、横須賀では2023年・2024年から石炭火力発電所の稼働開始が予定されているが、新規で石炭火力を動かし、大量のCO2を排出し気候変動を加速化すべきではない。エネルギー基本計画においても、新規建設を速やかに中止し、既存の石炭火力も2030年までには全廃し1.5℃目標と整合する施策とすべきである。

天然ガス火力

【該当箇所】P36 L1113~ 「5.2050年を見据えた2030年に向けた政策対応 」の中での「天然ガス」の位置づけ

【意見内容】現在、国内では天然ガスの火力発電所の建設計画が多数あがっているが、発電所からのCO2排出量は非常に大きい。今後の新設は建設中の設備も含め禁止し、段階的削減の方向を明確にすべきである。

【理由】案では、天然ガスについて「カーボンニュートラル社会の実現後も重要なエネルギー源」と位置付けているが、天然ガスであっても燃焼すれば大量のCO2を排出するため、カーボンニュートラルの達成は非常に困難となる。天然ガス火力の新設を中止するだけではなく、遅くとも2050年までにはすべての火力発電所を全廃すべきである。
なお、天然ガスを水素の原料などにする場合も、水素製造段階でCO2を発生することになり、CO2の大気放出を防ぐためには大量のエネルギーが必要となるため、天然ガスから水素を製造して火力に使うのは本末転倒である。

水素・アンモニア

【該当箇所】P25 L771~「水素・アンモニアにおける対応について」や P36 L1164~ 「5.2050年を見据えた2030年に向けた政策対応 」の中での「水素・アンモニア」の位置づけなど

【意見内容】水素やアンモニアは脱炭素燃料などではなく、製造・輸送時などにCO2排出を伴うものであり、水素・アンモニアを「脱炭素電源」などと位置づけ火力発電の主力燃料として位置付けるべきではない。またアンモニア混焼などを将来的に導入することを理由として石炭火力の延命をすべきではない。

【理由】「火力発電の脱炭素化に向けては、燃料そのものを水素・アンモニアに転換させること」などと、火力発電を将来的に残す方向性が示され、「2050年には電力システムの中の主要な供給力・調整力」などと位置付けているが、現在全く実用化の目途もたっていない方法であり、水素・アンモニアを理由に化石燃料の火力発電所を延命することにつながりかねず、2030年までに温室効果ガス排出の半減以上の削減が求められる気候危機への対応になっていない。また、石炭や天然ガス由来の水素(海外に依存する場合は一層)は、CO2排出を伴うもの ある。その水素を元に作るアンモニアも同様で、アンモニアは水素からの合成にさらにエネルギーが必要であり、いずれも、およそ脱炭素技術といえるものではない。計画案の「ゼロ エミッション火力」は裏付けのないまやかしであり、エネルギー自給及び2050年ゼロエミッシ ョンの実現を危うくするものである。“火力”の脱炭素化ではなく、脱火力と再生可能エネルギーへの転換を通じ、G7主要国首脳会議の合意を踏まえ、2030年代の電力システムの脱炭素化 を目指すべきである。その上で、再生可能エネルギー由来の水素は、発電部門ではなく、電化 が困難な業態を優先して活用すべきである。

CCS・カーボンリサイクル

【該当箇所】P25 L771~CCS・カーボンリサイクルにおける対応 ほか

【意見内容】CCSやカーボンリサイクルなど不確実な技術を理由に、火力発電を延命すべきではない。

【理由】国内には二酸化炭素を貯留する適地に乏しく、そもそもCCU技術は、その有効性、経済性、環境影響への懸念や技術的リスクなど、多くの問題を抱える不確実な技術であって、実用化のめどは全くたっていない。気候危機の緊急性に対応するものでもなく、コストも再エネの方が確実に安くなるので、火力+カーボンリサイクルなどに多額の研究開発費をかけるべきではなく、火力からの脱却と再エネシフトに電力の軸足をうつすべきである。

市民参加

【該当箇所】全体、p.126

【意見】市民が参加できるプロセスはパブリックコメントのみであり、市民の意見の反映がほとんどない。

【理由】気候変動の影響を大きく受ける若い世代を含め、市民が参加する機会がほとんどないまま、限られた産業界主体のメンバーによる審議会での議論で、素案がまとめられた。最終段階でのパブリックコメントのみでは、不十分である。各地での公聴会や討論型世論調査など、複数のしくみが必要である。

1.5度目標を言及する必要性

【該当箇所】p.4-5

【意見】「日本としても、1.5℃までに抑えることを2030年と2050年の目標設定と取り組みの前提とすべきであることを、明確に書き込むべき。

【理由】「はじめに」で気候変動問題について書かれているが、世界の気温上昇を1.5℃までに抑える必要性について触れられておらず、気候危機に向き合うものとなっていない。2021年8月に発表されたIPCCの第6次評価報告書第1作業部会の報告書でも、1.5℃以上の気温上昇は、生態系や人類に大きな被害・影響を与えることが示されている。気候変動・エネルギー政策の根幹をなすエネルギー基本計画においても、気温上昇を1.5℃までに抑えること、およびそのための政策をとっていくことを明記すべきである。

 

提出したパブコメ(PDF