【千葉】2017年5月16日(仮称)蘇我火力発電所建設計画に関する申し入れ
2017年5月16日
環境大臣 山本 公一さま
(仮称)蘇我火力発電所建設計画に関する申し入れ
蘇我石炭火力発電所計画を考える会
拝啓
貴職におかれましては、健康で文化的な国民生活の確保・実現に向け、日々環境保全にご尽力くださり、感謝申し上げます。
私たちは昨年末新聞報道等で、千葉市中央区川崎町1番地(JFEスチール(株)東日本製鉄所(千葉地区)構内)に石炭を燃料とする火力発電所(出力107万kW)の建設が予定されていることを知りました。ご存じの通り石炭火力発電所は,技術革新が進んだとはいえ、多量の二酸化炭素を排出するだけでなく、窒素酸化物や硫黄酸化物,さらには水銀等重金属など大気汚染物質が排出され、海域や河川には温排水による影響も懸念されます。
発電所計画予定地である千葉市中央区蘇我地区では、長い間製鉄所からの大気汚染物質により喘息などの健康被害で多くの市民が苦しんでいます。公害健康被害激甚地域として1974年公害健康被害補償法が適用され、第一種公害指定地域に指定された経緯もあります。1975年、「子どもたちに青空を」求めて地域住民と市民が提訴した「あおぞら裁判」は、いまだ市民の記憶にも鮮明に残っております。資料1(別添)に示したとおり、千葉市では現在でも降下ばいじんや粉じんによる被害も大きく、問題は未だ解決されておりません。そんな中、環境影響の大きい石炭火力発電所が建設されることは到底受け入れられるものではありません。
千葉市地球温暖化対策実行計画が2016年10月改訂され、二酸化炭素の排出を減らすため市民もさまざまな努力を行っているところです。千葉市内にはすでに東京電力千葉火力発電所等(出力合計548.1kW)が稼働しており、設備の7割が稼働したと仮定すると、年間発電量は336億949万2千kWhとなります。一方、市内の電力消費量は86億9,600万kWh(上記計画より)で、発電量のわずか26%しか消費していないことがわかります。つまり、74%は他市・他県のために発電していることになり、これ以上の発電所建設が本当に必要なのか納得がいきません。
事業者による計画段階配慮書の縦覧は本年1月25日に終了しましたが、市民への情報提供は十分とは到底言いがたく、多くの市民がこの計画を知りません。資料2の通り、私たちは本年5月から市内で1万件のアンケート調査を行ってきました。現在174通の回答があり、ほとんどの方が普段から空気の汚れが気になっていること、また、石炭火力発電所建設については「知らない」という結果が得られております。すなわち、市内の空気の汚れは未だ深刻で、発電所建設に関しては事業者による誠意ある情報提供がなされていないことが明らかになっています。
以上の理由から、(仮称)蘇我火力発電所の建設は到底受け入れることができません。
地球温暖化防止の視点からも、また市民の健康を守るためにも、本建設計画の中止を強く求めるものです。
連絡先 〒260-0013千葉県千葉市中央区中央3-13-17 電話090-7941-7655事務局小西由希子