イギリス・グラスゴーで開催されたCOP26（国連気候変動枠組条約第26回締約国会議）では、世界の気温上昇を1.5℃未満に抑える努力を追求するとした合意文書が採択されました。COP26で大きな議題となったのが、石炭火力発電の廃止・削減です。合意文書には、CO2排出削減策を設けていない石炭火力の段階的削減も盛り込まれています。

　COP26では、日本の気候変動対策の遅れが目立ちました。岸田首相は演説で1.5℃目標や脱石炭に言及せず、アジア諸国への支援として火力発電の水素・アンモニア混焼を強調し、不名誉な「本日の化石賞」を受賞するなど、国際的な批判にさらされました。今年改正されたエネルギー基本計画では2030年に電力の19%を石炭火力で発電するとしており、日本は国内の石炭火力削減にも後ろ向きです。

　今回、脱石炭に長年取り組み、環境分野のノーベル賞といわれるゴールドマン環境賞を今年受賞した平田仁子氏から気候危機の現状や国内外の取り組みを報告していただき、私たちに何ができるのかを共に考えます。