Q. 排出される大気汚染物質は、どれだけ増えるの?

A. SOX(硫黄酸化物)や水銀等が確実に増えます。

石炭火力発電所からはLNG火力では排出されないSOXや水銀が排出されます。SOXは呼吸機能に影響を及ぼし、眼の粘膜に刺激を与えるほか、酸性雨の原因物質の一つでもあります。また石炭は、他に、より多くのNOX(窒素酸化物)、ばい塵、PM2.5等を排出します。

さらに石炭火力発電所からだけではなく、燃料である石炭や燃焼後の石炭灰の搬入出を行う船舶の係留は蘇我スポーツ公園に近く、搬入出作業時の汚染物質の影響も心配されます。

Q. 石炭火力発電は本当に気候変動を加速させてしまうの?

A. 加速します。

蘇我で計画されている発電技術は、「超々臨界圧(USC)」という技術です。「最新型高効率発電」とされていますが、高効率のLNG火力発電に比較して約2倍のCO2を排出します。これは気候変動に取り組む世界的な枠組み「パリ協定」に逆行し、環境大臣も懸念を示しています。

電源別 CO2 排出量

Q. 何故、今でも粉じんに苦しむ生活者が多くいる場所に建てるの?

A. 単に経済的な理由からです。

2017年7月2日に開催された事業者説明会でも、もっと海側への建設の可能性について質問が寄せられましたが、千葉パワーの回答は、「JFEの土地で空いている所はそこしかない」というものでした。また事業目的として、「価格の低廉な石炭を燃料とすることで、競争力のある電力を生み出す」としています。つまり、大規模な商圏である関東に電力を販売するという経済合理性だけを追求した計画なのです。

現在のJFEスチールの原料ヤードの一部
現在のJFEスチールの原料ヤードの一部

現在のJFEスチールの原料ヤードの一部。広大な土地に石炭・鉄鉱石・スラグ等が野積み状態で保管されている