2019年1月31日、東京ガス株式会社、九州電力株式会社、出光興産株式会社、千葉県市袖ケ浦市に新規建設を計画していた設備容量200万kWの石炭火力発電所(100万kW✕2基)の事業化中止を発表しました。袖ケ浦市民が望む政策研究会では、その後改めて計画が浮上した東京ガスによるLNG火力発電建設計画に対して環境アセスメントの手続きで意見書を提出し、天然ガスであっても気候変動の問題の解決策にならないことを訴えています。また、2025年夏には、首都圏CCS事業計画が浮上し、CCS計画への疑問を社会に投げかけています。

首都圏CCS事業化計画の問題

首都圏CCS事業とは、日本製鉄・君津製鉄所などで排出されるCO₂(二酸化炭素)を回収し、千葉県外房沖の海底地下に貯留するというプロジェクトです。事業者による説明会がはじまっていますが、パイプライン予定地の一部住民のみを対象に開催されており、情報公開の不透明さに問題があります。また、CCS事業は、回収、輸送、貯留の各段階で問題があり、とりわけ貯留後の地震や漏洩リスク、漁業や地域環境への影響などは不確実な点が非常に多く、リスクが非常に大きな事業です。またこの事業は多額の税金が投入されることとなっており、費用対効果の点から疑問視されています。

<事業の概要>

  • 排出源:日本製鉄・君津製鉄所や京葉臨海工業地帯の複数産業
  • 回収方法:工場などで発生するCO₂を分離・回収
  • 輸送方法:千葉県を横断する約90kmのパイプラインで外房側へ輸送
  • 貯留場所:九十九里沖の海底下の「深部塩水層」
  • 貯留量:年間約120万トン(将来的には500万トンを目指す)

今後、このサイトにおいて、事業者の説明会などの情報をアップしていく予定です。

東京ガスによるLNG火力発電所建設計画の問題

2015年、東京ガス・九州電力・出光興産の3社が「千葉袖ケ浦エナジー」という会社を立ち上げ、袖ケ浦市の出光の遊休地に石炭火力発電所を建てる計画をスタートしました。これに対しての反対運動を繰り広げてきましたが、結局、環境対策にかかる費用が膨らみ、採算が合わなくなったことを理由に2019年に出光が撤退。計画が白紙に戻りました。

石炭の代わりに、環境負荷が比較的小さい液化天然ガス(LNG)を使う方向に切り替え、東京ガスと九州電力の2社で再スタート。しかし、その後九電も撤退して、最終的に東京ガスが単独で進めることを決め、環境アセスメントの手続きを進めています。

地元の漁業者からは「排水で海水温が上がるのでは?」という懸念の声があがり、これに対して東京ガスは、冷却方式を水冷から空冷に変更。海水温への影響を避ける工夫をしています。ただし、CO2の排出量はとても大きいことに変わりありません。2050年に向けてカーボンニュートラル社会を構築するという国全体の目標、東京ガスの目標にも整合していません。

この計画は、袖ケ浦市をはじめ市原市や木更津市など影響を受ける近隣の人たちに知られていません。ぜひ一人でも多くの方にこの問題を伝えてください。

(株)千葉袖ケ浦エナジー http://www.csenergy.co.jp/

 

当会の発行物

千葉袖ケ浦石炭火力発電所建設計画問題パンフレット(2018年7月) A4版見開き4p

千葉袖ケ浦石炭火力発電所建設計画の概要や問題点をわかりやすくコンパクトにまとめたものです。

(仮称)千葉袖ケ浦石炭火力発電所1,2号機建設計画問題パンフレット
(仮称)千葉袖ケ浦石炭火力発電所1,2号機建設計画問題パンフレット

袖ヶ浦火力発電所建設計画問題啓発チラシ(2018年3月) B4版2p

袖ヶ浦で進められている石炭火力発電所建設計画の問題をより多くの人に知っていただくことを目的にした折込チラシです。

袖ケ浦市民が望む政策研究会とは…

市民の、市民による、市民のための政策実現を目指す市民活動サークルです。

(仮称)千葉袖ケ浦石炭火力発電所1,2号機建設計画については、市民の健康被害、地球温暖化への悪影響などを心配し、2016年から市民を対象とした勉強会や環境省や千葉県知事への申入れを行っています。また、研究会のブログ(http://seisakukenkyukai.blog.so-net.ne.jp/)でも、情報発信しています。

これまでの活動史

袖ヶ浦 これまでの活動史(最終更新:2018年6月末)

 

連絡先

袖ケ浦市民が望む政策研究会 代表 関 巌
http://seisakukenkyukai.web.fc2.com/
http://seisakukenkyukai.blog.so-net.ne.jp/

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